エネルギー管理研修の申し込みで、最大の壁となるのが「実務経験証明書」です。
「自分は電気・熱の専門部署じゃないから無理だ」 「土木職や製造現場の人間には、書ける内容なんてない」
そう思って諦めていませんか? 結論から言うと、エネルギー管理の専門家でなくても、実務経験は通ります。
僕は明石高専の土木を卒業し、建設材料の製造メーカーに就職しています。一見エネ管とは無縁そうな場所にいましたが、ある「王道の項目」を使って一発で受理されました。その具体的な書き方と、公式ルールを自分流に「翻訳」するコツを公開します。
目次
そもそも「エネルギー管理研修の実務経験」の定義は?

多くの人が「省エネ対策の高度な企画立案」が必要だと勘違いしていますが、実はもっと身近な業務が含まれます。
研修を実施する省エネルギーセンターの公式サイト(Q&A)には、こう明記されています。
Q.「エネルギーの使用の合理化に関する実務」とは、どのような内容ですか?
A. 燃料、熱、電気の消費量管理や、設備の運転・保守点検、エネルギー管理の企画立案などが含まれます。 (引用元:省エネルギーセンターQ&A)
注目すべきは、「設備の運転・保守点検」という言葉です。 つまり、現場で機械を動かしたり、日々点検したりしている行為そのものが、立派な実務経験として認められているのです。
僕が選んだのは「ボイラーの維持管理」。これが最強の理由

「実務経験」と言っても、具体的にどんな業務が認められるのでしょうか?
僕は、製造ラインにあるアスファルト加熱用のボイラーに着目しました。 実際に行っていたのは、以下のような「日常の当たり前」の作業です。
- ボイラーのスイッチを入れ、異音や異常がないか確認する
- 燃料タンクの残量をチェックし、日報に記録する
- 定期的な清掃や、業者による点検に立ち会う
この経験を、公式の言葉を使って「ボイラー及び蒸気供給設備の運転管理、保守点検ならびに燃料消費量の計測」と書類に記載しました。
なぜ「ボイラー」がおすすめなのか?
製造現場やビル管理など、多くの施設には何らかの熱源(ボイラー等)があります。これは熱管理の「王道」であり、審査側にとっても受理しやすい項目だからです。「自分には何もない」と思っている人は、まず身近なボイラーを探してみてください。
【私の実例】「重油ボイラーの運転」でも認められた理由
私は元々土木出身で、エネルギー管理に関する専門的な業務は経験していませんでした。しかし、過去に経験した「重油ボイラーの管理」が実務経験として認められました。
これは、ボイラーの管理が「燃料の使用の合理化」や「エネルギー使用設備の維持管理」に直接関連すると判断されたからです。
具体的に記入したことは以下の通り(具体的な数字は除く)
- 1年間のエネルギー使用量(原油換算):〇〇〇〇kL/年
- ボイラーの蒸発量:○t/h
- ボイラーの基数:○基
- 業務に従事した期間:令和○年○月○日〜令和○年○月○日
直接的な「エネルギー管理」という言葉を使わない業務でも、その内容が関連していれば認められる可能性があります。
エネルギー管理研修の実務経験で会社の「印鑑」をもらうための立ち回り

書類が書けても、最大の難関は「会社(代表印)の証明」をもらうことですよね。
「それでいいの?」と上司に突っ込まれるのが怖い……という気持ちは僕も同じでした。
スムーズにハンコをもらうコツは2つだけです。
①下書きを完璧に作って持っていく
「あとはハンコを押すだけ」という状態にして、事務や上司の手間をゼロにします。
僕は前述の公式Q&Aのコピーも添えて、「この業務は、公式に認められている内容です」と説明しました。合格すれば、正式に研修の受講が認められます。
②「法令遵守」を理由にする
「会社として有資格者を増やしておく必要がある」というトーンで話せば、会社は拒否しにくくなります。
失敗しないための「書き方」3つのポイント
- 具体的な設備名を入れる:単に「設備の点検」ではなく「〇〇用ボイラーの運転管理」と書くと、実在感が一気に増します。
- 公式の言葉をパズルのように使う:自分で文章をひねり出すのではなく、手引きにある「運転管理」「保守点検」「計測と記録」といったワードを自分の作業に当てはめる(翻訳する)のがコツです。
- 期間は「3年以上」あればOK:研修ルートの場合、通算3年以上の実務経験があれば受講可能です。複数の現場を合算しても構いません。
まとめ:エネルギー管理研修の実務経験は「壁」ではなく「ただの書類」

実務経験の書類は、あなたを落とすための試験ではありません。公式のルールに沿って、自分の経験を「翻訳」してあげるだけの作業です。
僕のような土木出身で製造現場の人間でも、正しく書けば道は開けます。この書類さえ通れば、あとはAI(Gemini等)を使い倒して合格をもぎ取るだけです。
「さて、申し込みの目処は立った。次はどう動けばいい?」という方は、僕が合格までに辿った全ステップをまとめたこちらの記事をまず読んでみてください。

