構造力学ってなんで難しいん?支点反力ってどうやって求めるんよ?
支点反力の求め方は簡単です。
これだけ覚えておきましょう。明石高専の都市システム工学科(土木)で構造力学を学んだ僕がわかりやすく図解します。
目次
支点反力の求め方をわかりやすく解説します
支点反力を求めるためには、その問題の力を全て絵で描くことが重要です。
支点反力を求める基本:全部の合計が0になること
支点反力を求めるために必要なポイントは次の3つです。
力を全て絵(矢印)で書く
図にかかっている力を正しく書きましょう。上の図の場合、P1とP2がはりを上から押しているので、支点AとBは上向きに支えているはず。
なので、上向きに矢印を書きましょう。
力を縦と横に分解する
力を縦と横に分解しましょう。縦にはV(Vertical)、横にはH(Horizon)を使います。
上の図の場合は、斜めの力がないので、シンプルにできますが、斜めの力がかかっている場合は、\( \sin \)、\( \cos \)、\( \tan \)を使って分解します。
三角関数は大切です。
この機会に覚えておきましょう。
関数 | 30° | 45° | 60° |
sin(縦の力) | \( \dfrac{\sqrt{3}}{2} \) | \( \dfrac{\sqrt{2}}{2} \) | \( \dfrac{1}{2} \) |
cos(横の力) | \( \dfrac{1}{2} \) | \( \dfrac{\sqrt{2}}{2} \) | \( \dfrac{\sqrt{3}}{2} \) |
tan(あまり使わない) | \( \dfrac{\sqrt{3}}{3} \) | \(1\) | \( \sqrt{3} \) |
例えば、45°の斜め上方向に2kNの力が働いている時、縦と横の力は次のようになります。
基本的に次のように覚えてください。
縦:\( \cos\)、横:\( \sin\)
縦と横と回転のそれぞれの力で方程式を作る
下の画像にあるように力が働いても、物が動かなければ力がつり合っていると言います。
力のつり合いには次の3つがあります。
この3つの力がつり合っているから梁が動きません。回転は『力の大きさ×距離』で計算できます。
また、梁を支える『支点』には次の3種類があり、それぞれ次の力に抵抗します。
この力のつり合いを利用してはりの支点反力を求めます。
力のつりあいについては、『力のつり合いは絵で描くとわかる【構造力学の基礎】』が参考になります。
はりの支点反力の求め方:実例
はりにかかる力を具体的に次の数値にします。
1つのはりに5kNと8kNの2つの力が働いています。この時の支点反力Aと支点反力Bを求めてみましょう。
支点反力の求め方①力を全て書く
支点Aはヒンジ支点(縦と横に抵抗する)です。今回は横の力が働いてないので、横の力は0です。支点Aは縦の力が発生します。
支点Bはローラー支点です。縦の力だけに抵抗します。
支点の種類によって、抵抗する力の向きが変わります。気をつけましょう。
まとめると以下の通り。
支点反力の求め方②力を縦と横に分解する
今回は斜め方向の力が働いていないので、スキップします。
支点反力の求め方③縦と横のそれぞれの合計が0になる
今回の場合は以下の通りになります。
縦の力は単純ですね。回転の力について深掘りします。
回転の力の計算方法
回転の力は『力の大きさ×距離』で計算できます。計算しやすい基準の場所を見つけて、そこからの回転の力を計算してみましょう。
力がいっぱい集まっているところがおすすめです。
なければ、支点Aで計算しましょう。
今回は支点Aを基準にして回転の力を計算してみましょう。回る方向ごとに考えてみます。
右回り=左回りとなるので、上の式になります。
まとめると、力のつり合いの式は以下の式です。
VA+VB=5kN+8kN
VA ×0m+VB×9m=5kN×3m+8kN×6m
これを解くとVAとVBは次のようになります。VA=6kN
VB=7kN
これで、はりの支点反力が求められました。
まとめ:支点反力の求め方は簡単
支点反力の求め方をまとめます。
これだけでOKです。
力のつりあいについては、『力のつり合いは絵で描くとわかる【構造力学の基礎】』が参考になります。
構造力学は問題を解けば理解できる
苦手だからと避けないで、簡単な問題をちょっとずつ解いてみましょう。
構造力学が苦手なら、この問題集が優しくて簡単です。
また、『構造力学が苦手な人が読むべきオススメ参考書5選』では、構造力学全般にオススメの参考書を紹介してます。