1級土木施工管理技士に合格するための勉強方法について解説します。
1級土木施工管理技士の合格率は以下の通り
つまり、全体では1割ほどの低い水準が続いています。
仕事もプライベートも両立しながら、どれくらいの勉強時間が確保できるかも不安になりますよね。
この記事では、忙しい方々が無理なく合格を目指すための1級土木施工管理技士の効果的な勉強方法を詳しく解説します。
合格への不安を取り除き、限られた時間を最大限に活用するためのヒントを得たい方は、ぜひご参考にしてください。
目次
1級土木施工管理技士の勉強方法を解説
1級土木施工管理技士の代表的な勉強方法は3つあります。
どの勉強方法を選んだとしても、やることは同じで『過去問を周回すること』になります。
【本質】1級土木施工管理技士の勉強方法=過去問を周回すること
1級土木施工管理技士の勉強とは、過去問を周回することです。
なぜなら、土木施工管理技士の試験は過去問がアレンジされて出題されるからです。
例えば、令和5年度の問題と令和3年度の問題を比較します。
土質試験結果の活用に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか?
令和5年度 1級土木施工管理技士 1次試験
- 土の含水比試験結果は、土粒子の質量に対する間隙に含まれる水の質量の割合を表したもので、土の乾燥密度との関係から締固め曲線を描くのに用いられる。
- (以降、中略)
土質試験結果の活用に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか?
令和3年度 1級土木施工管理技士 1次試験
- (中略)
- (中略)
- 土の含水比試験結果は、土の間隙中に含まれる水の質量と土粒子の質量の比で示され、乾燥密度と含水比の関係から透水係数の算定に用いられる。
- (中略)
このように、選択肢の最後だけが違うなど、土木施工管理技士の試験は過去問をアレンジして出題されています。
ですので、『土木施工管理技士の勉強方法=過去問を周回』してこういったパターンに対応していくことです。
1級土木施工管理技士の合格に必要な勉強時間
過去問の周回もどれくらいやったらいいの?と思われたかもしれません。
ネットを検索すると100時間や300時間などと出てきます。
しかし答えは、『人によって違う』です。
何を『勉強』とするのか?
何を勉強とするのかは人によって違いますよね。
ある天才は見ただけで勉強ができるかもしれません。でも、(私もですが)問題を解いて間違いを直しても覚えられない人もいます。
人それぞれ能力が違います。
ですので、大切なことは『どんな勉強をどれくらい続けたのか?』です。
独学・通信講座・専門学校のメリット・デメリット
土木施工管理技士の勉強方法の大筋は過去問を周回することだとわかりました。
では、勉強方法として挙げた独学と通信教育、専門学校のメリットとデメリットをまとめます。
勉強方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
独学 | ・自分のペースで勉強できる ・費用を安く抑えることができる | ・誰にも相談できない ・『わからない』の解決も自分でやること |
通信講座 | ・インターネット等を使ってどこでも勉強できる ・わからないところの質問ができる | ・自分で計画して勉強を進める必要がある |
専門学校 | ・講師の授業を受けながら勉強できる ・本番と似た環境で模擬試験ができる | ・費用が高い ・勉強時間の自由度がない ・自分の住んでいる地域にないといけない |
それぞれにメリット・デメリットがありますが、結局は自分に合う勉強方法をとればOKです。
土木施工管理技士の勉強は『基本的に独学+困ったら誰かに助けてもらう』が最もオススメ
独学でも、通信講座でも、専門学校でも、自分が勉強すること以外に合格する方法はありません。
ですので、基本的に独学する。困ったときに誰かに頼る。
この方法が最も安く、最も効率的です。
具体的には、『過去問は自分で頑張る+経験記述は助けてもらう』で勉強をしましょう。
1級土木施工管理技士に合格するには『独学だけ』では厳しい
1級土木施工管理技士の合格率は、1次試験で50%、2次試験で30%です。
つまり全体では、15%ほど。
8割以上の受験者が合格できない試験で合格するためには、人と同じことをしていては合格できませんよね。
2次試験の難易度を上げている原因が『経験記述問題』です。
経験記述をクリアするためには『文章のチェック』は必須
経験記述をクリアするためには『正しい書き方を知ること』と『書いた文章のチェック』が必須です。
なぜなら、自分で書いた文章は不完全だからです。
例えば、自分では完璧に書けたと思う文章でも、相手に伝わらなかった経験ありませんか?
『経験記述』でも同じです。書いた文章から具体的な現場の状況や課題がイメージできなければ採点してもらえません。
ですので、経験記述をクリアするためには文章をチェックしてもらいましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
令和6年度からの新試験制度を知っておきましょう
令和6年度(2024年)から土木施工管理技士の試験制度が変わりました。
1級土木施工管理技士の受験資格は以下の通りです。
試験種別 | 受験資格 |
---|---|
1次試験 | 19歳以上 |
2次試験 | 1級土木施工管理技士の1次試験合格後 ・特定実務経験を含む実務経験3年以上 ・監理技術補佐の実務経験1年以上 ・その他の実務経験5年以上 2級土木施工管理技士2次試験合格後 (1級土木施工管理技士 1次試験合格後) ・実務経験5年以上 ・特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験 |
1級土木施工管理技士は『いきなり1級から受験可能』になりました
2級土木施工管理技士を持っていなくても、いきなり1級の1次試験から受験ができるようになりました。
1級土木施工管理技士の勉強の基本:過去問の正しい解き方
ここまで、過去問の周回が大切だと解説してきました。
では、どのように過去問を解いていけばいいのかを解説します。
過去問は毎日、少しでもやる
1級土木施工管理技士の勉強で大切なことは『毎日やること』です。
試験対策は一気にやっても意味がないからです。継続こそ力です。
こんな時でも、1問だけでもやりましょう。
1級土木施工管理技士の合格への近道は『毎日、少しでも、続ける』ことです。
全ての解答に『理由』を書こう
過去問は全ての選択肢に『なぜ』を考えましょう。
そうすることで、『効率よく過去問を周回できる』からです。
1級土木施工管理技士の勉強では、過去問を周回して問題のパターンに対応していくことが大切だと解説してきました。
ただ、過去問を解くだけでは『1問分』しか勉強できません。しかし、4つの選択肢全てに答えることで『4問分』の勉強ができます。
過去問を進めるスピードは落ちますが、効率は上がります。
ですので、過去問は全ての解答に『理由』を書きましょう。
『間違えた』と『まぐれで当たった』問題には『印』をつけておく
間違えた問題とまぐれで当たった問題には『印』をつけましょう。
自分の実力で正解できなかった問題をやり直すためです。
『過去問を解く→間違えた問題を直す→間違えた問題だけ解き直す』
この順序で進んでいけば効率よく勉強をすることができます。
自分の業務に関係のない分野は捨てましょう
自分の業務に関係のない分野の選択問題は『捨ててOK』です。
なぜなら、新たに覚えることを増やす必要はないからです。
自身の業務と関係のない(例えば、鉄道、港湾の問題など)問題は覚えるだけも大変ですよね。
ですので、自分の業務に関係のない選択問題は『捨ててOK』です。
1級土木施工管理技士の勉強におすすめの参考書・過去問
1級土木施工管理技士の勉強にオススメの過去問、参考書を紹介します。
1級土木施工管理技士 過去問コンプリート 2024年版: 最新過去問8年分を完全収録
選択肢ごとに丁寧な解説がついているので、この記事で紹介した通りの勉強方法を実践することができます。また、経験記述の解答テクニックも紹介されているので、これ1冊で勉強を進めることができます。
プロが教える 1級土木施工管理 第一次検定 第二次検定
1次試験と2次試験に分けて出版されているプロが教えるシリーズです。
YouTubeの再生回数200万回以上の大人気の現役講師が、過去10年以上の出題傾向を徹底分析しています。
1級土木施工管理技士:1次試験の勉強方法
ここからは、具体的な1次試験の試験対策方法について解説します。
1次試験は96問のうち、65問を解答します。そのうち、合格基準は60%(39点)以上です。
1次試験は試験範囲が広く、勉強の優先順位の付け方が重要になります。
1次試験は施工管理・応用能力問題から対策を始める
1次試験は新設された応力問題の対策から始めましょう。
1級土木施工管理技士は全体で6割以上の正答が必要ですが、応用能力問題も6割以上(15問中9問)正答する必要があります。
応用能力問題は、過去に実地試験と言われていた範囲から出題されています。
ですので、施工管理・応用能力から優先的に対策を始めていきましょう。
過去問周回のスケジュールを立てよう
1級土木施工管理技士の勉強で大事なことは『計画と実行』です。
購入した過去問のページ順に勉強を進めるのもOKですが、分野の難易度や重要度から計画を立てることも必要です。
優先順位的には以下の通りだと思います。
- 共通工学・施工管理方(応用能力):必須問題で難易度が高い
- 土木一般:点数がとりやすい
- 法規:難しいけど毎年、同じような問題が繰り返されている
- 専門土木:自分の経験のある分野だけ勉強する
この優先順位で勉強を進めると効率よく(重要度の順に)対策を進めることができるはずです。
1級土木施工管理技士:2次試験の勉強方法
2次試験の対策方法を解説します。
優先順位は経験記述です。
2次試験の配点は公開されていませんが、この経験記述ができていないと絶対に合格はできません。
ですので、経験記述の対策から始めましょう。
2次試験は経験記述から対策を始める
2次試験の最難関である経験記述の対策方法を解説します。
手順としては、以下の通りです。
- 課題ごとに経験記述を書く
- 書いた経験記述をチェックしてもらう
- チェックを終えた経験記述を書いて覚える
課題ごとに経験記述を書く
経験記述の課題(工程管理、品質管理、安全管理など)ごとに経験記述を書きましょう。
先ほど紹介した過去問・参考書にも書き方が載っていますが、以下の記事でも解説しています。
ぜひ、土木施工管理技士の経験記述の書き方の参考にしてください。
書いた経験記述をチェックしてもらう
書いた経験記述は必ずチェックしてもらいましょう。
会社の先輩や上司などに見てもらってもOKですが、ココナラというサイトでは、経験記述の添削サービスが出品されています。
詳しくは以下のリンクから見ることができます。
ココナラを見てみる経験記述には『作文代行サービス』があります
経験記述を自分で書かない方法もあります。
それは、自身の工事経験をもとに経験記述を書いてもらう『作文代行サービス」です。
嘘やごまかしはダメでも書いてもらうのはOK
経験記述は自身の工事経験について問われる問題です。
ですので、嘘やごまかしはダメですが、自身の工事経験を誰かに書いてもらうのはOKです。
どうしても文章を書くのが苦手なら作文作成代行サービスを検討しましょう。
詳しくは以下の記事で解説しています。
2次試験の過去問の解き方
2次試験はほとんどを記述式で解答します。
過去問を解くときは、『言葉』を暗記するのではなく、『重要なポイントが何か?』を考えながら解きましょう。
記述で答える問題は『言葉の暗記』では対応できない
なぜなら、わかりやすく文章にすることが必要だからです。
基礎知識だけ持っていても、採点者にわかるように伝えなければなりません。
過去問を解くときは、どういう解答をすればいいのか?どのような考え方をするのかを意識しましょう。
ですので、2次試験では言葉の暗記だけでは対応できません。
まとめ:1級土木施工管理技士の勉強方法
1級土木施工管理技士の勉強方法について解説してきました。
大切なことは『1級土木施工管理技士の勉強=過去問を周回すること』です。
なぜなら、土木施工管理技士の試験は、過去問がアレンジされて出題されるからです。
過去問を周回することが合格への近道になります。
1級土木施工管理技士の勉強方法=過去問を周回すること
過去問を周回することでいろんな問題のパターンに対応することができるようになります。
独学でも、通信講座でも、専門学校でも、勉強方法はいろいろあります。
ですが、『合格するためには自分が勉強する』以外に方法はありません。
どの勉強方法であれ、過去問を周回することが土木施工管理技士の勉強の本質です。
オススメの過去問は以下の2種類です。
1級土木施工管理技士 過去問コンプリート 2024年版: 最新過去問8年分を完全収録
プロが教える 1級土木施工管理 第一次検定 第二次検定
1級土木施工管理技士の1次試験の勉強方法
1級土木施工管理技士の1次試験対策で意識すべきことは、『選択肢の全てに理由を考えること』です。
1次試験は4択問題です。ただ答えるだけではもったいない。
4つの選択肢に対して、『なぜ』を考えることで4問分の勉強ができます。
ですので、『選択肢の全てに理由を考える』ことが大切です。
1級土木施工管理技士の2次試験の勉強方法
2次試験は経験記述から始めましょう。
なぜなら、経験記述が最も大切だからです。
経験記述ができていないと、そのほかの問題を解いても意味がありません。
経験記述の対策は『作文代行』または『添削』も検討してみて
経験記述の対策は、必ず第3者に『添削』をしてもらいましょう。
なぜなら、自分で書いた文章は『未完成』だからです。
採点者に伝わらなければ意味がありません。そのためには、自分以外の人に『自分の書いた文章が伝わるか』チェックしなければなりません。
ぶっつけ本番では合格できません。
ですので、自分で書いた文章は必ず添削してもらいましょう。
会社の先輩や上司でもOKですが、ココナラというサイトでは実績のある人が添削サービスを出品しています。
詳しくは以下のリンクから確認できます。
ココナラを見てみるまた、『自分で書くのが自信がない、文章を書くのが苦手だ・・・』という方は作文作成代行サービスを検討してみてもいいかもしれません。
確実に合格できる文章を作ってくれるので、2次試験の試験対策は過去問に集中できます。
詳しくは以下の記事で解説しています。