若い頃の僕は、会社の仕事に対して疑問を持つことがよくありました。
- なぜこのルールがあるのだろう
- なぜこの期限なのだろう
- なぜこの試験をするのだろう
社会人になったばかりの頃は、目の前の仕事をこなすだけで精一杯です。
そのため、言われたことをそのまま実行していました。
ですが、仕事を続けるうちに気付いたことがあります。
それは、仕事が上手く進む人ほど「背景」を知っているということです。
今回は、僕が会社員として働く中で感じた「背景を知ることの大切さ」について書いてみます。
目次
若手の頃の僕は「意味不明な仕事」が多かった

社会人になったばかりの頃は、正直なところ意味の分からない仕事がたくさんありました。
もちろん今振り返れば理由があるものばかりなのですが、当時はそんなことを考える余裕もありませんでした。
なぜこのルールなのか分からなかった
- 品質管理のルール
- 社内の申請手続き
- 設備の運用ルール
当時の僕は、
- 「面倒だな」
- 「もっと簡単にできないのかな」
と思うことがよくありました。
ですが後になって聞いてみると、過去のトラブルが原因だったり、法規制への対応だったりすることが少なくありませんでした。
ルールには理由がありました。
ただ、僕が知らなかっただけでした。
なぜその期限なのか分からなかった
突然、
「来週までにお願い」
と言われることもあります。
若い頃の僕は、
「もっと早く言ってくれればいいのに」
と思っていました。
ですが、その背景には客先への報告や監査、予算の締めなど、自分の知らない事情があることが多かったです。
期限そのものではなく、期限が設定された理由を知ることが大切でした。
背景を知らないと怒りの矛先を間違える

入社して間もない頃、工場の設備改造プロジェクトに関係する仕事を担当したことがあります。
ただし、僕はプロジェクトメンバーではありませんでした。
改造に関係する試験だけを担当していました。
例えば、
- 試作品を作る
- 強度を測る
- データをまとめる
といった仕事です。
当時は断片的に仕事を依頼されていました。
そのため、
「この条件で試験してください」と言われて準備を進めていたら、
「やっぱり無しで」
と言われることもありました。
若かった僕は、
「もっと早く言ってくれよ」
と腹を立てていました。
ですが後になって背景を知りました。
実際には親会社が設備設計を進めており、僕の勤める子会社はその変更に振り回されていたのです。
担当者も好きで変更していたわけではありませんでした。
その背景を知ったとき、怒る相手を間違えていたなと思いました。
背景を知ると仕事の質も変わる

背景を知ることの価値は、人間関係だけではありません。
仕事の質そのものにも影響します。
試験のやり方も変わる
設備改造の話もそうです。
当時は言われた条件で試験をしていました。
ですが、
- なぜ設備を改造するのか
- 何を改善したいのか
- どこが課題なのか
を理解していれば、もっと意味のある試験条件を提案できたと思います。
例えば配合割合を検討する場合でも、
単純に当たりを探すのではなく、想定される範囲を絞って試験できたかもしれません。
背景を知ることで、仕事の進め方そのものが変わります。
数字だけでは正解は決まらない
例えば製品の改良試験を行ったとします。
結果は次のようになりました。
- 現行品:1.0MPa
- X:1.5MPa
- Y:1.0MPa
- Z:0.8MPa
数字だけを見るとXが最も優秀です。
ですが実際の仕事はそんなに単純ではありません。
- Yは強度を維持したままコストを下げられるかもしれません
- 品質基準が0.5MPaならZでも十分かもしれません
重要なのは数字ではなく背景です。
- 顧客要求
- 品質基準
- 製造コスト
- 生産性
こうした背景を理解して初めて、本当の意味での判断ができます。
実験レポートの考察も同じだと思っています。
数字を見るだけではなく、その数字が何を意味するのかを考えることが大切です。
背景は会議資料には書いていない

面白いことに、本当に大切な背景は会議資料には書かれていないことがあります。
会議の前後の会話
会議が始まる前や終わった後の雑談。
意外と重要な情報が出てきます。
喫煙所での会話
僕はタバコは吸いませんが、JTCには喫煙者が多いので喫煙所で仕事の話がまとまることもあります。
こう言った場合、非喫煙者が知らないところで物事が決まっていることもあります。
他部署との会話
他部署の担当者と話していると、
「実はこういう事情があって」
という話を聞くことがあります。
ベテラン社員への質問
僕は分からないことがあると、ベテラン社員に聞くようにしています。
長く働いている人は、そのルールができた経緯や過去のトラブルを知っていることが多いからです。
背景を知りたければ、背景を知っている人に聞くのが一番早いと思っています。
だから僕はまず背景を聞く

新しい仕事を頼まれたとき、最近の僕はまず背景を聞くようにしています。
- なぜこの仕事をするのですか?
- なぜこの期限なのですか?
- 誰が困っているのですか?
背景が分かると優先順位も見えてきます。
進め方も考えやすくなります。
むしろ背景を知らないまま進める方が怖いと思うようになりました。
背景を整理するためにやっていること

背景を理解しても、それを整理できなければ仕事には活かせません。
僕自身、若い頃は聞いた話を頭の中だけで処理しようとして失敗することがよくありました。
そのため今は、
- 整理する
- 記録する
- 共有する
の3つを意識しています。
情報を整理する
背景を理解するためには、まず情報を整理する必要があります。
僕は会議中や打ち合わせのとき、文章ではなく図や矢印で関係性を書くことが多いです。
- 誰が関係者なのか
- どんな流れで仕事が進むのか
- どこが課題なのか
こういったことを整理するために、A4ノートを見開きで使っています。
>>会社ではA4ノートを使おう【字が汚い僕がたどり着いた結論】
情報を記録する(議事録)
背景を理解しても、時間が経つと忘れてしまいます。
また、自分だけが理解していても仕事は進みません。
そのため会議だけでなく、ちょっとした打ち合わせも議事録として残すようにしています。
議事録は単なる記録ではなく、
- 何が決まったか
- 誰が担当か
を整理するためのツールだと思っています。
>>議事録に悩むJTC新入社員へ。まずは「誰が・いつ・何をやるか」だけ書こう
情報を共有する(メール)
背景を理解し、整理したら最後は共有です。
特に他部署へ依頼するときは、
「何をやってほしいか」だけではなく、「なぜそれをやるのか」
も伝えるようにしています。
背景を共有すると、相手も動きやすくなるからです。
>>めんどくさい仕事をお願いするメールが上手いと言われた話【JTC会社員の実体験】
まとめ: JTCで仕事を進めるには『背景』を探ろう

若い頃の僕は、
「意味の分からないルールが多い会社だな」
と思っていました。
ですが今振り返ると、背景を知らなかっただけだったのかもしれません。
仕事が楽になったのは、特別に能力が上がったからではありません。
背景を見るようになったからだと思っています。
もし今、意味の分からない仕事やルールに悩んでいるなら、一度その背景を聞いてみてください。
意外と納得できる理由が見つかるかもしれません。

