新入社員の頃、僕は会議についていけませんでした。
正確に言うと、その場には参加しているし話も聞いているのですが、
「結局、何の話だったんだろう?」
となることがよくありました。
特に困ったのが議事録です。
会議中は必死にメモを取っているのですが、後から見返しても意味が分からない。
何を書けばいいのか分からない。
そんな状態でした。
でも今振り返ると、これは能力不足ではなかったと思っています。
単純に、その会社や業界で使われている言葉や背景を知らなかっただけです。
今回は、JTCの会議についていけなかった僕が、どうやって少しずつ理解できるようになったのかを書いてみます。
目次
JTCの会議についていけないのは普通

新入社員が会議についていけないのは、ある意味当然です。
なぜなら、JTCには独特の言葉や文化があるからです。
社内略語が多い
例えば僕の会社では、
- 安全環境防災 → AKB
- 自主管理活動 → JK活動
のような略語が普通に飛び交っていました。
入社したばかりの頃は、
「AKBって何だろう?なんでアイドルの話?」
という状態です。
会議では誰も説明してくれません。
みんな知っていて当然という前提で話が進みます。
独特のフォーマットがある
社内には独特の資料もあります。
例えば、
- 高額の設備投資用の決済文書
- 既存の特許関連に抵触しないかの調査文書
- 社内の規定や作業標準書
などです。
新入社員からすると、
「そもそも何のための文書なの?」
という状態です。
しかし会議では、その前提を知っているものとして話が進みます。
業界用語も多い
さらに業界用語もあります。
例えば、
- A管理
- B管理
- C管理
のような区分けです。
こういった言葉は会社によって意味が違うこともあります。
インターネットで調べても出てこないことも珍しくありません。
だから会議についていけなくなるのです。
会議についていけないと議事録が書けない

会議についていけないことで一番困ったのは議事録でした。
聞いているのに理解できない
当時の僕は真面目に話を聞いていました。
メモも取っていました。
でも理解できていませんでした。
なぜなら、出てくる言葉の意味が分からないからです。
言葉の意味が分からない状態では、会議全体の流れも見えません。
結局何の話だったのか分からない
会議が終わった後、
メモを見返しながら議事録を書こうとします。
しかし、
「結局、この会議は何を決めたんだろう?」
となることがありました。
今思えば、議事録が書けない原因は文章力ではありませんでした。
会議の内容を理解できていなかったのです。
ちなみに議事録の書き方はこの記事で解説しています。
→議事録に悩むJTC新入社員へ。まずは「誰が・いつ・何をやるか」だけ書こう
僕が会議についていくためにやっていたこと

では、どうやって少しずつ理解できるようになったのでしょうか。
特別な方法ではありません。
地道に整理して、分からないことを聞いただけです。
分からない言葉はメモする
まずやっていたのは、分からない言葉を書き出すことです。
その場で全て理解しようとはしません。
とりあえず、
- 聞いた言葉
- 人の名前
- 資料名
をメモします。
まずは事実を集めることを意識していました。
調べる
アジェンダやリスケ、コンセンサスのような一般的なビジネス用語なら、調べれば大体分かります。
まずは自分で調べてみます。
その方が理解も早いですし、相手の時間も奪いません。
調べても分からなければ聞く
問題は社内用語です。
これは調べても出てきません。
そういう時は素直に聞きます。
ただし、
「全部分かりません」
ではなく、
「ここまでは分かりました」
を整理してから聞くようにしていました。
例えば、
- 「AKB活動は分かりました」
- 「この資料も読みました」
- 「ただ、この項目について、どういうことですか?」
という聞き方です。
その方が相手も答えやすいですし、自分も理解しやすくなります。
分からないことを質問するときは、自分なりに事実を整理してから相談すると相手も答えやすくなります。僕が普段どのように相談しているかは、こちらの記事で紹介しています。
→ ベテラン社員への相談の仕方
A4ノートで整理すると理解しやすい

会議についていけるようになった理由の一つは、メモの取り方を変えたことです。
新入社員の頃は、発言をそのまま文字で書こうとしていました。
でも、それだと何が重要なのか分かりません。
途中からは、人や仕事の関係性を図で書くようになりました。
人と人の関係を書く
例えば、
- Aさんが資料を作る
- Bさんが確認する
- Cさんが承認する
という話があったとします。
これを文章で書くのではなく、
Aさん
↓
資料作成
↓
Bさん確認
↓
Cさん承認
のように書きます。
これだけでも流れがかなり見やすくなります。
矢印で仕事の流れを書く
仕事の話は、人よりも流れが重要なこともあります。
例えば、
試験
↓
結果整理
↓
報告書作成
↓
顧客説明
のような流れです。
会議では複数の話題が同時に進みます。
だから文章で追うよりも、図で整理した方が理解しやすいことが多いです。
文章ではなく図で整理する
僕が今でも使っているのは、見開きでA3になるA4ノートです。
広い紙に図や矢印を書きながら整理すると、会議の内容が頭に入りやすくなります。
詳しいノートの使い方はこちらの記事で紹介しています。
→ 仕事のメモはA4ノートがおすすめ【見開きで使うと世界が変わる】
10年働いても会議で分からない言葉は出てくる

ここまで読むと、
「ベテラン社員になれば全部分かるようになるのでは?」
と思うかもしれません。
でも実際は違います。
呼ばれる会議が変わる
年数を重ねると経験は増えます。
その一方で、呼ばれる会議の種類も変わります。
若手の頃には出席しなかった会議に呼ばれるようになります。
そうすると、また新しい言葉が出てきます。
- 初めて聞く部署の話
- 初めて聞く制度
- 初めて聞く社内ルール
そんなものばかりです。
分からないことはなくならない
僕自身、10年以上働いていますが、今でも分からない言葉は出てきます。
だから、
「分からない=能力不足」
ではありません。
むしろ、
「分からないことがある前提でどう対応するか」
の方が大切だと思っています。
- 調べる
- 整理する
- 聞く
結局、今でもやっていることは新入社員の頃とそれほど変わりません。
本当に大切なのは背景を知ること

会議についていけない原因は、言葉を知らないことだけではありません。
もう一つ大きいのが背景です。
言葉だけ分かっても理解できない
例えば、
「この案件を急いで進める」
と言われたとします。
言葉の意味は分かります。
でも、
- なぜ急ぐのか
- 誰が困っているのか
- 何が問題になっているのか
が分からなければ、本当の意味では理解できません。
言葉が分かっても背景が分からないことがある
会議についていけない原因は、社内用語だけではありません。
背景を知らないことも大きな原因です。
例えば、若手の頃にこんな経験がありました。
ある製品の品質改善をしていたときの話です。
現状品に対して、原料の割合を変えた3つの試作品(X、Y、Z)を作り、強度試験を行いました。
結果は次のようなものでした。
- 現状:1.0MPa
- X:1.5MPa
- Y:1.0MPa
- Z:0.8MPa
当時の僕は、
「Xが一番強度が高いのだから、Xを採用すればいい」
と思っていました。
ところが、会議で報告しても反応が微妙でした。
微妙な反応の正体
若手だった僕には理由が分かりません。
データだけ見れば、明らかにXが優秀だからです。
後から聞いてみると、背景は別のところにありました。
Xで使っていた原料のメーカーと、社内の関係者との間にいろいろな事情があったのです。
正直、
「そんな理由で判断するのか」
とも思いました。
ただ、JTCではこういうことも珍しくありません。
人間関係だけでなく、
- コスト
- 調達のしやすさ
- 過去のトラブル
- 他部署との兼ね合い
なども判断材料になります。
最終的には、
- 現状と同じ強度を維持できる
- コストが下がる
という理由でYが採用されました。
当時の僕は、
「なぜXじゃないんだろう」
と思っていました。
でも今振り返ると、
データは理解していたけれど、背景を理解していなかっただけです。
会議では結論だけでなく、「なぜその結論になるのか」を考えることも大切だと思います。
背景を知ると仕事がつながる
背景が分かると、
- だからこの資料が必要なのか
- だからこの期限なのか
- だからこの結論なのか
が見えてきます。
会議の内容も理解しやすくなります。
僕が背景を知ることの大切さについて感じたことは、こちらの記事で詳しく書いています。
まとめ:会議についていけないのは能力不足ではない

新入社員の頃、僕は会議についていけませんでした。
議事録も上手く書けませんでした。
でも今振り返ると、それは能力不足ではありませんでした。
単純に、
- 社内用語を知らない
- 業界用語を知らない
- 背景を知らない
状態だっただけです。
だから、分からないことがあっても心配する必要はありません。
大切なのは、「全部分かりません」で終わらせないことです。
- まずは事実を整理する
- 自分で調べる
- それでも分からなければ質問する
- そして少しずつ背景を理解していく
その積み重ねで、会議の内容は自然と分かるようになっていくと思います。

